この間、突然携帯の画面の下半分が真っ白になるという珍事に見舞われました。で、フリーズですよ。何を押してもリアクションがないんです。

でも電源入れ直したり、電池パックを脱着し直したら、ほ~ら元通り♪不便ではありますが、一応は使用に耐え得るうえに、携帯ショップに持っていくのもマンドクサ!だったので、放っておいたわけです。

しかし初期症状があらわれてから二日後、携帯の容体が急変したんですね。

今度は全面真っ白になったんです。まるで液晶部分を死者の顔に見立て、白い布で覆ったかのように。これはやはり携帯の死を意味しているのでしょうか。

例の如く、携帯の裏を明けて電池パック脱着の緊急オペを試みるも、やはり死者を蘇らせることは不可能でした。燃え尽きてるんですよ。真っ白に。まるで明日のジョー!とは言うものの、こんな状態で明日は迎えられません。

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で、他の電話から自分の携帯にかけると、「プルル~」という呼び出し音は鳴ってるんですが、肝心の携帯の方は全くの無反応。着信音もバイブも作動しません。通話ボタンを押して電話を受けることも出来ないんです。

こりゃおおごとばい!もし今、私が暴漢に連れ去られたり、エレベーターか何かに閉じ込められたり、突然謎の腹痛に襲われたりしたら、どーすりゃいいのさ!?

周囲との情報交換のパイプが断たれた私は、危険蔓延るこの現代社会において、大いなるピンチに直面していると言っても過言ではなく、こうなっては携帯どころか、この私自身が天に召されることにもなりかねません。

私の命を狙う殺し屋たちの目を掻い潜り、細心の注意を払いつつ、携帯ショップまで匍匐前進です。

幸いにも何事も起こらず携帯ショップに到着。受付のお姉さんに朽ち果てた携帯の亡骸を差し出しました。

もの言わぬ携帯の電池パックの蓋を開けるお姉さん。だから今更そんなことしても無駄だっつーの!それともアレか?俺を殺す気か?つぅかオマエが殺し屋か?

するとお姉さんは、携帯の裏側を指差して、「この部分は浸水すると色が変わるんです。水の中に落としたみたいですね。」とのこと。

そう言えば先日、私の携帯がポケットから飛び出して、元気に水溜まりを泳ぐ姿を見たような。あの水溜まりこそ、実は三途の川だったんですね。

とりあえず機種変更を勧められるも、眼球が¥の形になるほど常軌を逸したお値段だったため、水と塩のみで空腹を満たすというギリギリの生活を強いられている私は、死に絶えた携帯を蘇生させるという手段を選びました。

蘇生の儀式には、インドの高原にのみ生息する図鑑にも載っていないような植物の葉と、中国は吉林省の山奥に住んでいる仙人が持っているという妙薬。そして大量の人骨と人間の生き血が必要で、十日ほどかかるとのこと。

その間に宛行われたのが、アプリどころかカメラもなく、搭載されたメロディにサザエさんのBGMがやたらと充実している東芝製のレトロ携帯です。

私の携帯が大往生して、離島に孤立状態となっておよそ半日。サザエさん一家の名に因み、無人島で魚介類を捕食することで辛くも命を繋げることが出来ました。

古いとは言え、携帯さえあれば愉快なサザエさんですよ。ル~ルルルッル~♪なんて鼻唄交じりに帰路につきました。その途中でフと気が付いたんですね。この音信不通だった半日間は、空白の時間だったわけです。

片っ端から慌てて電話かけまくりです。無人島に漂着した私は、命あって再び祖国の土を踏むことが出来たのですから。心配をかけた友人、知人に無事を報告しなければなりません。

「もしもし。俺だけど?いや~携帯壊れてさぁ。さっきまで俺に電話しても連絡とれんかったやろ?もう直ったけん大丈夫…え?別に連絡してない?」

「もしもし。俺だけど?やっと携帯が繋がるようになった~。ごめんな~迷惑かけて…え?別に迷惑してない?」

「もしもし。俺だけ(以下略

いやはや、ダメになっていたのは携帯だけではなく、むしろ私自身だったようです。

誰か、水と塩をください。

投稿者 mrm

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