処女、それは純潔の象徴であり古今東西を問わず信仰や崇拝の対象となっていました。処女からイメージされる清らかさと正しさは時に一族の財産として、時に神に近付く条件として、時に男たちの憧れを集めるシンボルとして、あらゆる社会で尊ばれてきたのです。処女とは美のアイコンであり、汚れなき純白を連想させます。

対して童貞、それは不潔の象徴であり古今東西を問わず侮蔑や忌避の対象となっていました。童貞からイメージされる気持ち悪さと惨めさは時に一族の恥として、時に異常者と見られる条件として、時にオニャノコたちの罵声を浴びるシングル(孤独)として、あらゆる社会で蔑まれてきたのです。童貞とは醜のアイコンであり、濁った腐れドドメ色を連想させます。

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いや、何かね、処女と童貞って同じ条件じゃないですか?どちらも未使用って意味じゃないですか?しかし世間の価値基準ってばどう考えても処女>>>童貞なんですよ。処女は失うもんですが童貞は捨てるもんですからね。処女は穢れのない感じしますけど童貞だと逆に穢れきってる人ってか軽く粗大ゴミですから。

ちょっと性別が代わるだけで同条件でもこんなに印象が違ってくるなんてこりゃもう差別ですよ。私はこのような童貞への理不尽な扱いをまるで我が事のように嘆いています。別に私自身が実はキモ童貞だなんてことは絶対にありません。親に「アンタも早くカノジョをつくって紹介しなさい」と言われて半泣きになったりなんて絶対にしてません。ただ純粋に童貞の復権を願っているだけなのです。

こういった差別問題はチェリーボーイズが簡単に脱童貞できれば解決するのですがコレが何とも難しい点でありまして事態を深刻なものとしています。処女ってのは多分可愛らしい動物に夢中になるようなメルヘンチック乙女だと思うんですけど、これが童貞だと卑猥らしい動画に夢中なヘンタイチック漢になってしまうわけですよ。童貞はエロ動画大好きな変態になり、変態だと嫌われますから童貞から抜けられずさらに変態の深みへ嵌るという恐ろしい負のスパイラル。もちろん私が生粋の童貞ヤロウでエロ動画にガチハマりしてるとかでは絶対にありません。デスクトップに「システム」という無難な名前のフォルダを作ってその中にエロ動画を山のように隠しているとかは絶対にありません。

処女崇拝と童貞蔑視の傾向は現在に限ったことではないようで歴史を鑑みるとその例を見ることができます。例えばキリスト教圏においてはイエスのママンである聖母マリアをムリヤリ処女扱いして神聖視する一方でイエスのパパン(名前?知らね)は童貞と見做されたり崇められることはなく完全に空気みてーな存在感です。他にも生涯未婚を貫き通したエリザベス女王はスペインの無敵艦隊を破ってイギリスの自主独立を守った女傑ですが彼女は生涯を国家に捧げたために誰とも結婚することなく「処女王」として知られており、新大陸のヴァージニア州ていう名前もこの処女王エリザベスに由来するのは有名な話ですよね。

何か処女ばっかり神格化されたり英雄視されたりで童貞が救いようないウンコ並みなんですけど、きっと童貞サイドにもエリザベス女王に並ぶ功績を残した偉人がいるはずなんです。童貞というステータスを武器に大活躍したヒーローがいるはずなんです。んで調べてみたところ、すげーのがいました。ぱねーのが見つかりました。その名もルートビッヒ二世、通称「童貞王」です。このニックネームを聞くだけで既にカリスマな感じがプンプンしますね。「童貞王万歳!」の歓声をあげる国民に庭園から手を振って応える凛々しい王の姿が浮かぶようです。さて、ではワクドキしながらこの偉大なる聖人ルートビッヒ二世の生涯を簡単に追ってみましょう。

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19世紀のバイエルン王であるルートビッヒ二世は妻を娶らず、代わりに美少年とエロリンパするのが趣味のガチホモでした。王様のくせに政治には無関心、社交性もなく常に引きこもっていたそうです。仕事もせずに豪華な城や宮殿を建てて財政を圧迫しまくりだったために強制的に退位させられ、最後は何者かによって暗殺され水死体で発見されます。噂では精神病にかかっていたとか。

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え?何このバカ殿?白塗りした志村けん?うん、何かね、童貞王ってつまりニートでヒッキーでガチホモかつマジキチな穀潰しらしいんですよね。こんなのが全国の童貞を代表する歴史人物みてーになってるもんですから、こりゃ童貞がゴミ化されてる理由が垣間見えたような気がします。あと童貞王のダメっぷりが妙に私と被っているなんてことは絶対にありません。ともかくこのままでは童貞への風当たりが一層厳しくなり、近い将来において血で血を洗う大規模な童貞弾圧がおこっても不思議ではないのです。

?????。
???。
?。

「童貞だー!童貞が逃げたぞー!」
「あっちだ!追えー!」

20XX年、人口爆発からくる世界規模の食糧難と資源の枯渇化により我々人類は絶滅の危機に瀕していた。この人類存亡のかかる局面への打開策として国連および各国首脳は苦渋の決断を下すこととなる。次代への遺伝子を残せず、生産能力もなく、いたずらに資源を浪費するだけの存在だとして童貞を排除、粛清することが決定付けられたのだ。言わば童貞を対象とした社会からのリストラ、あるいは世界レベルでの口減らし、その名も『D計画』である。

当初は各政府主導での公的な政策であった『D計画』だがその動きは日増しに過激化していく。一般市民でさえも童貞への嫌悪と敵意を抱きはじめ、やがて童貞狩りと称する私刑が横行しはじめたのだ。

「親分!森に逃げ込んだ童貞のヤローを完全に見失いました!」
「くそっ!童貞め!チョコマカと…」
「ハッ!これはッ!童貞のものと思われるハイテクスニーカーの足跡があちらへ向かって延びています!」
「よぉし、次こそは逃がさん!者ども!続けぃ!」

ザッザッザッ……

「ヒュー、何とか撒いたようだな」

童貞討伐隊の一行が森を後にしたのを確認すると岩陰から一人の男が姿を現した。足元は量販店のワゴンセールで見られるハイテクスニーカー、そして薄く斑なブルーに染められたジーパンにTシャツの裾を深々と入れ込んだ彼の斬新なファッションは見紛うことなき童貞のそれである。男は世界を覆い尽くす童貞排斥の時流に一人立ち向かう孤独なレジスタンスであり、その名をミスターMという。

M「それにしても気になる。主だった童貞ゲリラが壊滅された今、ガノタ(ガンダムヲタク)の岡田たちは無事だろうか…。この地区にも討伐隊の手が伸びてくるとなると恐らく俺以外の童貞は殆ど生き残ってはいまい。ともかく暫くはこの森に身を潜めるしかなさそうだな」

彼は童貞で構成された義勇軍として童貞弾圧に抵抗した岡田の身を案じていた。そう、過去の日記(※11月16日参照)にも登場したブッチギリの童貞野郎こと岡田である。しかし義勇軍の必死の抗戦も虚しく、政府軍とそれに与する私設部隊の圧倒的な戦力を前に壊滅状態となり、岡田をはじめとした童貞友軍たちの生存ももはや絶望視されている。

不安を振り払うかのように鬱蒼と茂る木々の間を分け入り森の奥へと歩を進めると、緑に覆われた森林にはおよそ似つかわしくない鈍い銀色に光る人工物が眼前に飛び込んできた。

M「…これは、シェルター…」

軍事施設であろうか。或いは物資貯蔵庫かもしれない。扉は重厚な造りではあったが鍵はかかってはおらず、中を覗くと打ちっ放しのコンクリートに囲まれた粗末な地下室があるのみだった。期待していた弾薬や食糧などは残念ながら発見できなかったが、いずれにせよ暫くの雨風を凌ぐには充分な設備である。

M「とりあえずはココに身を隠すとしよう。しかし静かだ。誰もいねーし。……そうだ!久し振りに手淫を…シコシコシコシコ…」

「ふぅ…流石に手淫の後は気分が沈むな…よっしゃ!景気付けに歌でも歌うか!」

M「ボンバヘッ!」
岡田「ちょいやっさー!」
M「ボンバヘッ!」
岡「ちょいやっさー!」
M「燃っえだっすよーな?熱っい魂!」
M&岡「ゲッダン!」

M「!!?」

岡「やぁミスターM、久しぶりだな」
M「岡田!オマエ、いつから居たんだ!?」
岡「え?いや、今来たとこだから何も見てないよ!うん、べ、別に手淫とか見てない!そ、それより生きてたんだな!良かったよ」
M「…うん、でも何だか今すぐ死にたくなった…」

廃墟となった地下シェルターで戦友との奇跡的な再開。話によると童貞軍が次々と倒れされてゆく戦火の中を辛うじて生き延びることに成功した岡田は、僅かに残った同志とともにこの地下室で反撃のチャンスを伺っていたようだ。政府軍の拠点へと偵察に出ており地下室が無人となったところに偶々やって来たのがミスターMだったらしい。

岡「でもあの戦いで残った仲間は僕も含めてたったの三人」
M「仲間ってのはソコにいるサムライかい?」
岡「ああ、彼は上杉謙信。戦国武将なのに婚姻を結ばずに子供を残さなかった童貞さ」
上杉謙信「よろしくでござる」

M「じゃあ、あのツナギを着たいい男は?」
岡「彼は阿部高和。インターネット掲示板じゃ有名なガチホモでノンケでも構わず食っちまう童貞さ」
阿部高和「やらないか」

岡「そして僕とミスターMの合わせて四人、どうやらこの世界で生き残った童貞は僕たちだけのようだね。他のみんなは残念だけど…」

そう言いながら岡田が視線を落とすと、ただでさえ冷たく重いコンクリートに囲まれた殺風景な部屋の空気が一層重苦しいものとなった。静寂を打ち破るかのように上杉謙信が口を開く。

上「しかし軍神は我々を見捨てなかったでござる」
M「どういうことだ?」
岡「さっきの偵察でね、見つけ出したのさ。童貞弾圧の主導権を握る反童貞の首謀者、セックスマスターの居所を」
M「それじゃ話が早い!早速そいつを倒しに行こうぜ」
阿「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
上「左様、奇襲を仕掛ける好機でござる」
岡「でもセックスマスターは相当な実力者だ!仲間が無惨に殺されるのをこれまで何度も見てきた!もう…諦めるしかないよ…」

再び長い沈黙。性の伝道師であるセックスマスターには童貞がいくら束になったところで敵うはずもないことを既に彼らは身をもって痛感していた。義勇軍のゲリラ戦でも全くと言ってよいほど歯が立たずに完敗を喫したのみならず、D計画の実行される以前の平和だった時代から苦汁を飲まされ続けてきた童貞にとってセックスマスターは手の届かない雲の上の存在、童貞と非童貞の実力差は明らかだった。セックスできる者とセックスできない者、両者の格差はそれほどまでに埋め難いものだったのである。

息の詰まる静寂を今度はミスターMが遮った。うなだれるようにそっぽを向く岡田の頬にミスターMの平手が飛んだのだ。バシッという乾いた音がコンクリートにこだまする。

岡「…殴ったね…」
M「殴ってなぜ悪いか!貴様はいい、そうやって喚いていれば気分も晴れるんだからな」
岡「僕がそんなに安っぽい童貞ですか」

再びミスターMの平手が振り下ろされる。

岡「二度もぶった…女王様にもぶたれたことないのにッッ!」
M「それが甘ったれなんだ!殴られもせずに変態プレイに目覚めた奴がどこにいるものか!」
岡「…ミスターM」
阿「情けないこと言ってくれるじゃないの」
岡「…阿部さん」
上「今日まで童貞を守ってきたのは誰でもない俺だ!って言えない岡田なんて童貞じゃないでござる」
岡「…謙信公」

岡「…悔しいけど、僕は童貞なんだな」

四人はどこかで聞いたような借り物の発言ではない、例えば機動戦士ガンダムの第九話とかで聞いたような台詞ではない素直でありのままの気持ちを言葉にし、互いに友情を確かめ合った。それぞれ住む時代や世界は違えど童貞魂という誇り高い精神は共鳴しあっているのだ。

M「そうと決まれば出発だ!岡田、教えてくれ!セックスマスターの居場所を」
岡「わかった。まずこのS区域を抜けてEポイントに入る。そしてその先にあるX地点がセックスマスターの砦さ。しかしヤツにコチラの動きを悟られるのは危険だ!くれぐれも気をつけて」
阿「男は度胸!何でも試してみるのさ」
上「毘沙門天の加護があるでござる」

四人は歩き出した。先程の地下室での絶望に支配された空気が嘘のように各人の胸には希望が満ちていた。たしかにセックスマスターの脅威は測り知れない、だがしかし強大な敵を前にしても童貞として誇りを守るという使命感と志を同じくする仲間に与えられた勇気が彼らを後押ししたのだ。どれほど歩いただろうか。幾つかの山を越え、川を渡り、森を抜けると突如として目の前の視界が広がる。そこには巨大な男性器を模した要塞があった。要塞の発する不気味な威圧感にここがセックスマスターの潜むアジトであることを彼らは察知した。

岡「遂に、やって来たね。この時が」
阿「良かったのか?ホイホイついてきちまって」
M「ああ、今さら後戻りはできないさ」
上「いざ、出陣でござる」

突入の意志をかため、木陰に身を隠しながら期を伺っていると正面の門がひとりでに開いていった。ギ・ギ・ギと鈍い金属音を漏らしながらずっしりとした重い扉が口を開ききると同時に要塞の四方に向けられたスピーカーから怪しげな声が轟く。

???「フハハ!童貞の諸君!待っていたぞ!わざわざ始末されに来るとはご苦労なことだ!諸君らの愚かな勇気に免じてこの私が直々に手を下してやろう!さぁ、入るが良い!」

岡「そ、その声はセックスマスター!」
M「チィッ!いかにも余裕って感じだな」
阿「ホイホイ開けてくれるなんて、嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
上「セックスマスター!念仏でも唱えるがいいでござる」

男性器型要塞の尿道部分から次々と内部へ飛び込む四人の童貞戦士たち、その中心部には雄々しい玉座が鎮座しており、そこに深く腰をおろした禍々しいオーラを放つ男のシルエットが浮かんでいた。

M「そこにいるのはセックスマスターだな!姿を現せ!」
?「フッ…随分と威勢の良い輩だな。それでこそ遊び甲斐があるというもの、見せてやろう!私の真の姿を!そして恐怖に打ち震えるがよいわ!」

シルエットに包まれたセックスマスターが玉座から立ち上がると今度はその姿形をはっきりと視認することができた。逞しく引き締まった長身、小麦色に焼けた肌、ゆるやかにパーマがかった髪に深い皺が刻み込まれた顔、そして真っ白な六尺褌のみを纏った限りなく裸に近い身なり、そう、セックスマスターとはセックスの頂点を極めたあの男だったのだ。童貞戦士たちは思わず息を飲んだ。

M「…まさか…あなたが…」
?「おや?さっきまでの威勢はどうした?もう怖じ気づいたのではあるまいな?」
岡「…勝てない…こんなバケモノに勝てるわけがない…」
?「フハハハハ!童貞どもよ!私こそが数千人の女を喰らい、全ての童貞たちの羨望と憧れを集める究極のセックスレジェンド!加藤鷹だぁぁぁ!さぁ死にたい者からかかってくるが良い!」

セックスマスターの正体、それは数々の伝説を作り上げたセックス界の王者として名を馳せる加藤鷹その人だった。震えたまま動かないミスターMを庇うかのようにとっさに上杉謙信が前へ出る。

上「貴様の相手は拙者でござる!くらえ!サムライ・ソルト(敵に塩を送る)ォォォ!!」
岡「あれはッ!領内の塩不足に喘いでいたライバルの武田信玄方に塩を提供した故事に因む技!熱いッ!なんて熱い義理人情なんだッ!」
鷹「フン、小賢しい!ゴールド・フィンガー(黄金指弾)ァァァ!!」
阿「アッー!上杉謙信が送り込んだ塩を激しい指使いで弾き返してるじゃないのッ!」
M「バカなッ!塩を潮で制しているッ!上杉謙信の渾身の一撃も加藤鷹には全く通じないッ!」
上「ご、ござるぅぅぅーッ!」
??ドサッ

加藤鷹の指から繰り出される華麗なる潮噴き技によって天下の名将も成す術なく倒された。呻き声を漏らしながら倒れ込んだ謙信にとどめを刺そうと歩み寄る加藤鷹、しかしそれを遮るように今度はツナギを着たいい男が立ちはだかる。

阿「やらないか」
鷹「ほぅ、次は貴様か…面白い…」
阿「それじゃ、とことん喜ばせてやるからな!くらえ!クソミソ・テクニック(尻穴小便)ゥゥゥ!!」
岡「まさかッ!自分の尻穴に小便を…いや、潮便をさせるなんてッ!なんて人だろうッ!」
鷹「甘いッ!シオフキ・テクニック(秘穴昇天)ゥゥゥ!」
M「正に技術と技術のぶつかり合いだッ!しかし加藤鷹の底無しの潮の量に阿部さんの直腸も限界を超えているッ!」
阿「ホアーッ!ホーッ!ホアーッ!アッー!は…腹ん中が…パンパンだぜ…」
??バタッ
鷹「フン、他愛もない」

阿部高和を凌駕する加藤鷹のテクニックの強大さを見せつけられ童貞戦士たちにも戦慄が走る。尻穴から潮をだらしなく垂らす阿部の姿はバキュームカーと間違えてしまいそうになるほど無惨だった。

岡「次は僕の番だ!」
鷹「雑魚め!己の無力を呪うが良い!」
岡「うおお!岡田!逝きまあああす!」
鷹「はああ!逝くよ!逝くよ!あああああ!ほああああああああああ!」
M「これはッ!叫び声を媒介とした互いの闘気のぶつかり合いだッ!しかし岡田の掛け声が加藤鷹の喘ぎ声にかき消されているッ!」
岡「…これが……戦い………ぐわあああッ!!」
??ガクッ
鷹「さぁ、最後は貴様だけだな」

あまりにも簡単に童貞戦士たち三人を片付けた加藤鷹が最後に残された獲物にゆっくりとにじり寄る。だがミスターMは諦めてはいなかった。相手が伝説のセックスマスターなら自分は歴戦のオナニーマスターだという自負があったのだ。

M「これで決めるッ!いけェ!ヒトリデ・デキタ(独淫絶頂)ァァァ!!」
鷹「まだわからぬか!童貞風情がセックスマスターに敵うはずがないのだ!死ねぃ!カリスマ・アクター(女優悶絶)ァァァ!!」
M「クッ!そういえば加藤鷹の出演するAVは奴自身の喘ぎ声がデカすぎていつもオナニーに集中できないんだッ!」
鷹「ワーハハハハ!私の喘ぎ声で絶頂できまい!ほあああああーッ!んあああああーッ!」
M「フッ!貴様は童貞のポテンシャルを見くびったッ!真の童貞は如何なる環境でも手淫することが出来るのだッ!」
鷹「な…なにィ!ミスターMが目を閉じたッ!完全に自分の世界に入り込んで私の喘ぎ声が通じないッ!」
M「貴様の負けだッ!開眼ッ!ナンデモ・ズリネタ(妄想天国)ァァァ!!」
鷹「あああああ!イ…イ…逝くぅぅぅ!!」

ミスターMの渾身の攻撃が生み出す耐え難い衝撃に加藤鷹は世界を失った。何も見えず聴こえず天地の判断もつかず、まるで自分の存在が何ものかに丸ごと削り取られたような感覚に襲われたのだ。凄まじい閃光と爆音が止むと視界がくるりと回転し眼前に天井が映し出されていた。加藤は朦朧とした意識の中で自分が倒されたことを悟ったのだった。同時に恐らく次の一撃で自分は完全に死に絶えるであろうことを理解した。しかし恐怖や怨恨の念は微塵もなく、むしろミスターMのような本物の男と死力を尽くして闘い、そして人生の幕を下ろすことを名誉とすら思っていた。

M「ハァ…ハァ…これが俺たちの…童貞の力だ…」
鷹「…グッ…み、見事だ…」
M「…確かにオマエたちからすれば童貞なんてエネルギーを食い潰すだけの無駄な存在かもしれねぇ…」
鷹「………」
M「…だがな、限られたエネルギーから無限の可能性を生み出すのも…童貞なんだよ…」
鷹「!!?」
M「目の前の女をオトすために労力を費やす非童貞とは違う、二次元や妄想などの完全な無から掛け替えのないものを創りだす…非童貞なら何でもないようなことも童貞は脳内補完でエネルギーに代える、性的自給自足さ…」
鷹「せ、性的…自給自足…グッ…ウググ…」

気力を使い果たし、重力に従うまま力なく床面に倒れ伏していた加藤がよろめきながらも何とか立ち上がる。

M「オマエ…立てるのか!」
鷹「フッ、わざと急所を外しておいて何を言うか。それより今すぐ各国首脳に使者を送ろう。『D計画』は中止する」
M「…加藤」
鷹「それとミスターM、厚かましいようだが貴様にひとつ頼みがある」
M「え?」
鷹「これからの時代、人類を纏めるリーダーは貴様のような男こそ相応しい。人々を導くエンペラー、即ち『導帝』として私の後を継いではくれまいか」
M「…この俺が…導帝?…」
岡「おめでとう!新しいリーダーの誕生だね!」
上「ミスターM殿は天下の主でござる!」
阿「新世界の創造!やらないか!」
M「!?岡田?それに…みんな!生きていたのか!」
鷹「そうと決まれば宴の準備だ!者ども!酒だ!酒を用意しろ!そして全国から選りすぐりのAV女優を集めい!」

童貞にも魂があり、童貞にも正義がある。童貞たちは皆それぞれ己の生き様と真摯に向き合い、そして戦っているのだ。童貞なんて格好悪い、魅力がない、そんなこと誰が決めた?決めるのは他の誰かじゃない自分自身だ。童貞の数だけ哲学がある。ひっそりと胸の内に秘めた崇高で究極の哲学だ。童貞の持つ無限の可能性、そのことを一番良く知っていたのが誰あろう導帝だったのかもしれない。さて、ミスターMが導帝となったこの後の世界はどうなったのか。続きは皆さんの内に灯る童貞の精神、すなわち脳内補完で紡ぎ出してください。

?????。
???。
?。

え?何このムリヤリな感動巨編?まぁね、クリスマスシーズンということで有り余る童貞パワーのやり場に困った結果がコレですよ。ホント私ってば小説…ていうかライトノベル…むしろケータイ小説を書く才能ありまくりで、どっかの出版社からオファーがあって書籍化とか映画化されてもおかしくないクオリティです。その際のタイトルは「変空」とか題されつつ、全国のイマドキスタイルな女子高生から「ナニ〃レヽ?<ナニ〃アレヽ(日本語訳:抱いてください)」なんて言われちゃって、めでたく脱☆童貞というビジョンも浮かんでくるんですが、よく考えたら成人指定は避けられない内容って気もします。

避けられないと言えば駅前のイルミネーションとかまじヤバい!カップルどもが我が物顔で占拠してて童貞にとってはトラップが張り巡らされた危険地帯ですからね。地雷を踏まないと電車に乗れないってどぉいうことなの?サンタクロースを恨みつつ、でももしこんな私にもプレゼントが貰えるなら是非カワイイ彼女を、いや、カワイくなくてもいい。多少ブサイクでもいい。それが無理ならせめてハイテクスニーカー以外の靴をプレゼントしていただきたい。

投稿者 admin

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