前回の私の心の内から沸き上がる想いを込めた魂の叫びが剰りにも不評だったということで、今回は私自身と、私のメッセージを支持するはじめ氏の名誉と誇りを賭け、再び筆を執ることとなったミスターMです。

私も彼も、体内には熱き博多っ子の血が流れており、野球といえば若鷹軍団福岡ダイエーホークス。そして地元のお洒落スポットといえば近所のダイエー。さらに男優といえば加藤鷹。

というホークスファン気質あふれるスタンスを貫いてきました。

そんな鷹党である私たちのアイデンティティーを揺るがすといっても過言でないほどの大事件が現在取り沙汰されています。そうです。近鉄とオリックスの合併問題です。我らが若鷹軍団の属するパ・リーグは現在、深刻な人気低迷にあえぎ、崩壊の危機に瀕しています。この問題に関しては様々な場所で議論が成されていますが、この場をかりて、私が独自に練り上げたこの問題に対する最良と思われる解答を提示したいと思います。

まず、パ・リーグの人気低迷の原因についてですが、やはりスター選手の不在にあるでしょう。『人気のセ・実力のパ』と言われるように、セ・リーグの選手たちは世間の注目度、メディアでの露出度ともにパを圧倒し、全国区の華やかな舞台で活躍しています。一方パ・リーグの選手たちは地方のみの限定的な人気はありますが、全国に認知されるレベルとなると少数です。

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地元球団を持つ福岡の放送局ですら、ゴールデンタイムに他リーグである巨人の試合を放映し、鷹ファンの我々はラジオや衛生放送から声援を送ることを余儀なくされています。

セ・リーグはセントラル(中央)、パ・リーグはパシフィック(太平洋とその沿岸)を意味します。つまりセが中心部にあり、パは中心から離れた末端である海沿いに追いやられた球団であるということです。

才能ある選手が、自分の実力に見合った環境を求めるのはプロとして健全な態度です。パで育ったスター選手が、セ・リーグやメジャーへと活躍の場を移すことは当然のことと言えます。

このように、当初から運命付けられたパ・リーグの衰退の原因を、単に球団の経営努力の不足として断罪することは果たして正しいのでしょうか。

日本プロ野球界最大の人気球団である巨人は、その圧倒的な権力と財力で各球団のスター選手を収集しています。我らがホークスもエース・工藤と四番・小久保という投打の柱を失いました。特に小久保の電撃移籍についてのオーナー側の説明では、両球団の利害を巡って争うことなく、友好的かつクリーンな取引だったと釈明しています。

強大な力を盾に倫理を踏みにじり、他球団の財産を自チームへ引き込み、なおかつ表向きは相手方との友好的な態度を保持する巨人側の姿勢を見て、私は激しいデジャヴに襲われました。幼少の頃より慣れ親しんで見てきたあるものと、姿が重なるのです。それは漫画ドラえもんにおける剛田たけしことジャイアンです。

近所の子供たちの間でガキ大将としての座に君臨しているジャイアンは、「おまえのものは俺のもの。俺のものは俺のもの」と独自の哲学を構築し、「心の友よ」と偽りの友好関係をでっち上げ、自らの非道を隠匿します。

この傍若無人な振る舞いを前に、物語のメインの役割であるのび太は圧制を強いられるのです。これは本来最も意見の尊重されるべき選手側と、それを権威でねじ伏せる巨人軍オーナーであるナベツネ氏の関係を連想させます。また選手会会長である古田敦也の容貌が野比のび太に酷似している点にも注目です。

さて、読売ジャイアンツとは実はガキ大将のジャイアンを指し、選手会はのび太を意味していることが以上で立証されました。しかしここで一つの疑問が浮上します。主人公ドラえもんが不在であるということです。主人公とは言うまでもなく物語の中心人物です。プロ野球界における中心であり必要不可欠なもの 。主人公と呼ぶに相応しいもの。それは即ち我々プロ野球ファンではないでしょうか。ドラえもんが四次元ポケットでのび太たちの願いを叶えるのと同じく、プロ野球ファンはポケットマネーをはたいて野球業界の発展に力を貸しているのです。ドラえもん(猫型ロボット)なくしてドラえもん(物語)は語れないのと同様に、ファンなくしてのプロ野球は語れません。

この巨人球団幹部=ジャイアン、選手=のび太、ファン=ドラえもんのロジックは、存亡の危機に晒されている愛すべき球団を思うファンの声と、自身の利益のみを追求する巨人球団幹部の意を、それぞれの歌に乗せて、その冒頭部分を対比することで、より一層説得力を増します。

主人公たるファンの意思を代弁する歌はメインテーマの「ドラえもん」。そしてジャイアンである巨人軍幹部は「俺はジャイアン様だ」です。

あんなこといいな♪

出来たらいいな♪

あんな夢こんな夢いっぱいあるけど♪

おれはジャイアン♪ガキ大将♪

天下無敵の男だぜ♪

のび太スネ夫は目じゃないよ♪
どうでしょうか。前者が切実な要望を提示していることに対して、後者は権力を振りかざした傲慢な姿勢でそれに応じるという構図が見えてきたでしょうか。ジャイアンは自らを絶対的存在であると豪語し、選手たちの悲痛な叫びを「目じゃない」と黙殺しているのです。「俺はジャイアン様だ」というタイトルからしても、その高圧的な態度は伺い知ることが出来ます。ジャイアンの歌声はのび太が思わず耳を塞ぐほど酷く、このような歌に込められた主張は、選手やファンに苦痛を与えるものに他なりません。さらにジャイアンのこのような性格が顕著に見られる二番のスポークン・ワード部分を引用しておきましょう。

「うるせえうるせえ!のび太スネ夫!俺が自惚れてるだって?そんなこというとお前らギッタギタだぞ」
漫画ドラえもんでは、ジャイアンの脅威に対してドラえもんの持つ未来の道具で対抗します。ファンである我々もプロ野球界に巣くう巨大な悪を討つために抗戦せねばなりません。そのために我々は具体的に何をすべきかを、ここからさらに視点を変えて論じていきたいと思います。

まず、ジャイアンツが「ジャイアン」を示していることが明らかになった今、巨人軍と呼称するのは不適当です。ジャイアンとは巨大な人の意ではなく、剛田たけしを指すためです。では、ジャイアンツに最も適した呼称とは何でしょうか。それはもちろん「たけし軍団」以外にありえません。

たけし軍団とは、コメディアン、俳優、映画監督と幅広い活躍で、今や確固たる地位を築き上げた世界の北野こと北野たけし(ビートたけし)が率いるタレント集団です。芸能界におけるたけしのポジションも、ジャイアンツが12球団内で最も高い地位を占めていることと共通しています。

あまりにも強大な敵を相手に、我々は如何にして対抗すればよいのでしょうか。

ここで中学時代に学んだ社会科の授業を思い出してください。国家としての組織を維持していくうえで、特定の機関への権力の集中は危険を招きます。一部の権力の暴走が全体としての統率を失わせ、国家の崩壊へと繋がるのです。そのため、近代国家システムにおいては権力の分散が重要とされます。これが三権分立です。立法、行政、司法という国家の統治作用を三分し、各機関がそれぞれに他機関への権力の集中を抑制しあい、全体としての均衡を保持するのです。

芸能界における三つの権力と言えば、所謂ビッグスリーです。ビッグスリーとは、ビートたけし、明石屋さんま、タモリの三人であることは周知のことでしょう。実はこれが、混迷するプロ野球界を救う重大なヒントとなります。

ビートたけし=巨人として考えると、たけしの独裁によるプロ野球界の崩壊を防ぐため、さんまとタモリがその暴走を食い止める役割を担うこととなります。即ち、たけしVSさんま・タモリの壮絶な戦いです。まさに現在のプロ野球界は「たけしの挑戦状」を叩きつけられているのです。この戦乱は「たけしの戦国風雲児」と呼ぶにふさわしく、野球を舞台とした「ビートたけしのスポーツ大賞」に挑み、東京ドームに拠を構えた「風雲たけし城」を攻略するという、体当たりの攻撃こそ「TVタックル」であり、その戦いに勝利を収め、パ・リーグの試合をテレビで観る歓びを感じることはまさに我々にとって「元気が出るテレビ」と言えます。

しかし、さんまは瀕死の状態であり、有効な戦力としては見込めません。彼のコンディションは現在のプロ野球事情に照らし合わせてみることで明らかになります。近鉄とオリックスの経営不振による合併問題は大阪と神戸という関西圏で起こっており、さんまの弱体化もこれに起因します。つまり戦いを前にして関西人さんまは、既に東京人たけしによりその戦力を奪われていたのです。

やはりたけしの独裁によるプロ野球界の腐敗を食い止める術はないのでしょうか。この絶望的な現状の中で、我々の持てる唯一にして最大の希望は森田一義ことタモリにあります。ここまで私とともに考察してきた諸賢ならば、このことが何を意味するか、もはや容易に察することが出来るはずです。タモリの出身地は福岡県です。つまり12球団で言うところの福岡ダイエーホークスにあたります。ナベツネの悪しき野望を粉砕することが出来る救世主となり得るものは、我らが若鷹軍団だけなのです。

とはいえ、既に土日に開催される若鷹軍団の試合は、ナイターで行われる巨人戦との試合時間の重複を避けるため、デイゲーム開催という劣勢を強いられています。これは若鷹軍団が「お昼休みはうきうきウォッチング」のタモリたる所以でしょうか。このように巨人中心主義の功罪が「笑っていいとも」にも現れています。しかし最後に笑うのは正義の翼を広げ、ナベツネの支配を越えた自由な大空を羽ばたく我らが若鷹軍団なのです。理想の球界を実現するための勝利への飛翔にはファンの追い風が必要となります。

現在、この「とある芸人の一言」を閲覧しているあなたも、文字通りその一翼を担っています。不等な扱いを受けたパ・リーグとそのファン、そして球界全体の未来を憂う気持ちが僅かでもあるならば、我々とともに若鷹軍団にエールを送りましょう。ホークス・ファンに限らず、すべてのプロ野球ファンは、ホークスの勝利を願いましょう。

カラオケの締めで「いざゆけ若鷹軍団」を室内の全員で合唱すること。恋人とのデートの際、互いに揃いの「FDH」のキャップを被り街へ繰り出すこと。テレビ観戦、ビデオ観賞ともに「鷹」のプロとしての卓越したプレイ・テクニックに注目し、野球少年はバッティング、野球成年はペッティングの技術を参考とし、自身のプレイに活かすこと。等々、我々にも出来ることは数多くあります。我らが鷹のテクニックでナベツネに一泡(一潮)吹かせてやるのです。以上が私の提唱する合併問題への解答です。

今回は、前回受けた汚名を払拭するに充分な、全く隙のない完璧な論理が展開できたと自負しています。今後、若鷹軍団の活躍によるプロ野球界の発展と同様に、CARESS-WEBもまた進化を遂げてゆくことを切に願っています。

投稿者 mrm

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