遅ればせながら話題の新書をゲット致しました。そのタイトルもズバリ『マンガ嫌韓流』ってんで、さっそくレビューしてみます。

この嫌韓流という本、大凡の内容は「韓国に対する日本のこれまでの行いは果たして本当に悪だったのか?悪だとすればどの程度の悪なのか?何について何処まで謝罪する必要があるのか?」みたいな歴史認識に関する問題をテーマにしているようで、ネット上で噂になってるのは知っていましたし、それなりに興味もあったのですが、これまでなかなか購入するには至らなかったわけですね。というのもやはりマンガですから「お子ちゃま向けの大したコトない内容なんじゃねぇの?」みたいに見下していたり、その少女マンガちっくな絵柄を見て「キャラの面構えが軟弱すぎる!こんなヲタク丸出しのマンガなんて面白いものか!」という偏見があったりで到底買う気にはなれなかったのです。

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しかしながら、こうも騒がれるとなると、そして書店の新書コーナーに『話題のベストセラー』みたいなポップ付きでドカンと平積みしているとなると、流行に敏感なトレンディーでナウい私が放っとくワケには参りますまい。
で、読んでみたところ、やはり絵が安っぽい!小中学生の頃によく家に送られてきた○○ゼミだかの勧誘チラシがあったと思うのですが、それにオマケとして付いてきた漫画みたいな胡散臭さです。まぁそのオマケ漫画の内容っていうのが大体こんな感じなんですが…

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主人公ヒロシはクラスメートのヨシコにほのかな想いを寄せる中学三年生。彼は夏の県大会を控えたサッカー部員として日夜練習に明け暮れていた。

サッカーに打ち込むヒロシであったが、彼の眼前にはもう一つの大きな関門が立ちはだかっていた。そう『高校受験』である。
地元の進学校であるS高校を志望するヨシコ、かたやヒロシは毎日部活ばかりでテストではいつもアカ点。二人の成績の差は歴然たるものだった。

ヒロシ「はぁ~、俺は勉強出来ねぇし、来年からヨシコとは離ればなれか~(泣)」

そんなヒロシの元に○○ゼミから一通の封筒が届いたのだ。中にはゼミの資料とともに申込用紙が同封されていた。本当に短期間で簡単に成績が上がるのか。半信半疑ながらも藁にもすがる思いで申し込んでみたヒロシ。翌月、ゼミから届いたテキストをやってみると…

ヒロシ「なんてわかりやすいんだ!要点が抑えてあるから効率的だ!コレさえあればS高校合格間違いナシ!しかも空いた時間を部活の練習に充てることだってできるぞ!」

練習の甲斐あって大会では見事に優勝。さらに夢のまた夢だったS高校にもヨシコとともにラクラク合格し、喜びの春を迎えた卒業式の日、憧れのヨシコから思わぬ一言が!!

ヨシコ「ヒロシ…私まえからヒロシのことが好きだったの……」

ヒロシ「ヒャッホーィ!(昇龍拳のポーズを繰り出しながら)」

○○ゼミのおかげで部活も成功し、志望校にも合格、さらには彼女だってできるし、ママからのお小遣いも上がる!無駄な勉強なんてしなくていいからとってもカンタン!楽しみながら学べちゃう!しかも今ならオシャレでカッコいいリストウォッチも付いてくる!キミも今すぐ○○ゼミにチャレンジだ!

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…というわけで、もはや完全にカルト宗教。「このツボを買えば幸運が…」みたいな怪しさ満開。そういった詐欺商法を想起させる絵ですからね。嫌韓流は。

しかし重要なのはその中身です。怪しく古臭い少女マンガ的なキャラでも、間違った歴史認識やら誤った外交戦略やらをバッサバッサと切り崩していけばそれでよいのです。巷で噂の嫌韓流のことですから、きっと私の知らないような衝撃の新事実や、画期的な論理展開が盛り沢山のハズです。

なんて期待を寄せて読み進めていくと、なるほどな~と唸らせる部分もある一方で、そうでない部分もあったりします。私の思想信条は嫌韓流の主人公に近いので、反対というわけではないのですが、例えばマンガの中で親韓反日のプロ市民団体との討論に挑む主人公が日本絶対悪史観の欺瞞性をズバズバ暴き、プロ市民たちを次々と論破していくシーンがあるのですが、ここでの主人公の主張にあまり目新しいものを感じないのです。使い古されたような、どこかで見たような論旨と言いますか、とにかくそんな印象です。

いやね、やはり私は時流の最先端ですから、嫌韓流で扱っているような情報は既にある程度おさえているわけですよ。いま流行の「ネット右翼」ってヤツですか?ネット上に暗躍し、反韓・反中を主張するキモヲタでヒキコモリという可哀想なイタいヤツらです。そうです。まさに私です。

嫌韓流を読みながら「あ~、これと同じようなのネットで見た」なんて思う箇所が多々あるのですが、それもそのはず!巻末の参考文献に『2ちゃんねる』て思いっきり書いてあるし!2ちゃんを本を書くにあたっての参考資料にしてしまっていいのでしょうか。

しかもマンガの中でのディベートやら会話やらがどう考えても熱くなりすぎです。「正しい歴史認識はコレだ!」みたいなことを目玉おっ広げながら物凄い剣幕で叫ぶわけですが、「くわっ!!」とか書いてあるし。さらにその発言を受けた方は青冷めた顔で驚愕の表情、擬態語は「ドン!!」です。討論で言いくるめられようものなら大変です。苦痛に顔を歪めながら「ぐぐぐ…むぐぅ…」なんて呻き声をあげています。リアクションがデカ過ぎで、会話の場面なのにまるで格闘シーンのようです。

いやはや、ピーコのファッションチェックみたいに酷評してしまいましたが、読んで損はない良作だと思います。もともと現在の歴史認識を疑問視していた人も、自分の考えを整理・確認することが出来ますし、マンガであるゆえにわかりやすく、何より多くの関心を集め、世論に風穴をあけたことは評価すべき点です。もちろん嫌韓流を読んでの歪んだ解釈で、テロや戦争を起こそうなんてことになると賛同は出来ませんが。

嫌韓流は素晴らしい作品であると同時に、更なる改良すべき点もあります。言いたいことは理解できるのですが、マンガとしてのクオリティは決して高いとは言えません。そこで私は嫌韓流の上をゆく魅力的なキャラクターと奇想天外なストーリーの作品を考えてみました。軟弱っぽさを一切廃し、宮下あきら、原哲夫などの大先生をお手本とした熱い漢(おとこ)のためのマンガです。

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タイトル『魁!!嫌韓流の拳』

地域でも屈指のチンピラどもが集まる高校として恐れられていた憂國高校。中でも番長である愛国日丸(あいこく・ひのまる)は憂國高校の屈強な不良たちを束ねる最強の漢として名を馳せていた。

憂國高校は長年、隣町の大韓高校との熾烈な抗争を繰り返していた。この抗争の発端は日丸の先代、先々代の番長の時代にまで遡る。

因縁の抗争に決着をつけるべく、大韓高校番長、反省汁男(はんせい・しるお)は日丸のもとに挑戦状を叩きつけた。漢たちのプライドを賭けた最終決戦がいま始まる。

盗んだバイクで単身大韓高校に乗り込んでゆく日丸の前に立ちはだかったのは、憂國高校の生徒でありながら大韓側に寝返った反日左太郎(はんにち・さたろう)であった。左太郎の裏切りに遭いながらも、汁男の送り込んできた4人の刺客、韓国四天王を見事に倒し、いよいよ汁男との直接対決となる。

キムチに含まれるカプサイシンによって新陳代謝を活発にし、更なるパワーアップを遂げた汁男に対して、日丸は梅干しで体調を整えて対抗する。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか!?

その他にも、大韓高校のレディースチームを率いる女番長、安如馳世(あんにょ・はせよ)や、抗争の狭間で揺れる在日古利男(ざいにち・こりお)など魅力的なサブキャラたちが物語を盛り上げる。(劇中に馳世のシャワーシーンというお色気特典アリ)

2つの高校の対立を軸に、真実とは、そして正義とは何かを問う感動の名作!!

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いやはや、これは大ヒット間違いナシです。私ってやつは本当に天才です。まさに才能の宝庫です。

さっそく創作に取り掛かろうと、とりあえず表紙を描いてみました。

添付してある絵がソレです。

どうも企画倒れに終わりそうです。

投稿者 mrm

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