とある何人の一言 – ミスターMの大気圏突入 –

ようこそ『とある何人の一言』へ。笑いの観点から社会を正す謎の男、ミスターMが私の個人的な価値観を拠り所に、刺して刺して刺しまくります。

第二回掲載

      2014/10/08

ペットなんかには無縁のように思われつつも、密かに自宅でダニやゴキブリを大量に飼育している生き物ダイスキなミスターMです。世間に虐げられている虫たちを保護するという動物愛護精神に溢れた私ですから、ミスターMの『M』って実はムツゴロウさんっつぅ意味の『M』じゃねぇの?とか言う噂もあるとかないとか。今回はそんな私と動物の涙ナシには語れない感動の秘話を披露しようと思います。

先日のことですが、友人と二人きりで夜を徹してプレイステーション2で対戦するという非常に有意義な時間を過ごすことになり、私はコンビニで買ったお菓子やジュースを手土産にその友人宅へと押し掛けました。チャイムを鳴らすと、中から友人の母親らしき女性が玄関のドアを開けてくれ、私は中へ入ろうと…ッて危ない!!!

なんと玄関先には鋭い牙を剥き、唸り声をあげながらこちらを牽制している犬がいるんですね。犬種は知らねど、トムとジェリーとかアメリカのアニメに出てくる体型が逆三角形のゴツい犬いるでしょ?あんな感じの凶暴かつ獰猛な怪物です。しかも玄関先には『犬に注意』って書いてあるんですが、その注意書きには可愛い犬の絵が。いやいや、絵と実物が全然違いまくりです。絵の方は愛らしいワンちゃんがウインクなんかしちゃってるマンガ絵ですが、実物を見るとカワイイと言うよりカワイソウになるくらいの愛嬌の無さ。コレがマンガに出てきたら完全に敵キャラです。

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軽くビビりながらも、ビビっていることを悟られてはカッコ悪いので、犬と目を合わさぬようにそそくさと玄関へ向かいました。野蛮そうな犬とは言え、所詮はペットです。人間様に本気で襲いかかってくるなんてことはナイでしょう。飛びかかろうにも鎖につながれてますしね。なんて安心しきっていると、持っていたコンビニの袋がずしりと重みを増しました。何が起こったというのでしょう?この家の敷地内だけ外よりも強い重力がはたらいているのか…。はたまた私の筋力が何らかの理由で一瞬にして落ちてしまったのか…。やはり日頃の運動不足が原因でしょうか?そんなことを考えながらコンビニ袋に目をやると、闘争心剥き出しの猛獣が袋に噛みついてグイグイ引っ張ってやがるんですね。

なぁんだ。犬か…ッて助けて!私は思わず飛び上がって袋を手放してしまいました。しかしヤツは散乱するお菓子やジュースには目もくれず、今度は私の足に食いついてきます。そんなバカな!確かにコイツは鎖につながれたはず!でもよ〜く見てみると、、、

鎖がバカみてぇに長げぇよ…

私の足を引きちぎろうとする犬を見て「あら♪ラッキーちゃんは遊んでほしいのね」とか暢気なことを言いだす母。ちょっと待ってください。てめぇん家では人間の肢体をバラバラにするのが遊びですか?私はとんでもない不幸に見舞われてますが、それでもコイツの名前はラッキーちゃんですか?あなたは母のフリした鬼ですか?

私の履いたジーパンに鋭い牙を深々と食い込ませる犬。苦痛と恐怖に顔を歪ませる私。その様子をにこやかに見守る友人母。気がつけば、いつからか母の隣で一緒になって暖かい視線をこちらに向けている友人。それは獣と人間の戦いを見世物にしたという古代ローマのコロッセオの風景そのものです。コロッセオの風景なんて知りませんけど、きっとそうです。母と友人はラッキーちゃんを止めようとするどころか私の命が危険に晒されている状況を笑顔で楽しんでいます。そりゃそうですよね。やはりここは平成日本の福岡県ではなく、古代ローマのコロッセオですもん。

私の断末魔の悲鳴は猛獣の唸り声と友人らの笑い声に掻き消され、もはや死あるのみかと思いきや友人がこちらへ向かって歩み寄り、荒れ狂うラッキーちゃんを制止してくれました。私の命を守るべく差し出された救いの手にすがり、この機に室内へと逃げ出すことに成功。興奮状態のラッキーちゃんをすっかり落ち着かせた友人は、地面のお菓子を拾い始めました。どうやら彼は私を救うためではなく、お菓子のためにラッキーちゃんを黙らせた様子。友人だと思っていた彼は血の通っていないサイボーグか何かだったようです。

室内に入った後も、窓ガラスを引っ掻いたり吠えまくったりで明らかに私を狙っているラッキーちゃん。友人宅の滞在もかなりの時間が経過し、そろそろ帰れムードが蔓延しようとも迂闊に玄関へ向かうことは即ち死を意味します。「ねぇ、もうちょっと(犬が寝るまで)遊んでいようよ」などとヘタレな言葉を吐きながら、結局朝方まで居座っていました。て言うか犬のせいで監禁されてました。

この踊るでしかしを御覧の方々の多くは、NYの地で自分の夢や目標を達成するために日々戦っていることと思います。同様に私もこの日本でも(犬と)戦っているのです。そんな私から皆さんへ熱いエールを送りたいと思います。

 - コラム掲載

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